鼻腔の記憶

日曜にふらりと立ち寄った期間限定の店(いわゆる店舗貸しのお店)で自分が探していたイメージに近いノースリーブを見つけた。税込み500円也。ほほぉ、なんて買い物上手! と自分をホメながらレジに持っていくと、急に異臭が鼻腔を突いた。この臭いは……どこかで……嗅いだ臭い。ドッドッドッドッ、心臓が高鳴った。これってもしかしてアレか? アレなのか? 記憶の奥底に封じ込めたはずのアノ臭いなのか? と動揺したが、結局息をとめたまま支払いを済ませて店を出てきた。そう、数年前お隣で自殺したときにしっかり記憶された「人の腐る臭い」にそっくりだったんだよね。昨日、この店はまだやっていた。遠巻きながら、もう一度確認しようかどうしようか迷ったけど行っていない。いつまでやってるんだろ、このお店……つか、レジの付近で人の腐る臭いがするんで掘り起こしてみてください! なんて云えるわけないんだけどさ