酒のチカラがモノをいいました

友人から待ち合わせ場所の確認メールが届いた。サブジェクト「人間不信の夏」本文「落ちて落ちまくって見えないかもしれないけど、わたしを探してね〜」。うへぇー、なんか背中がゾクリ。
もう間違いなくこれは失恋話だよー、いやじゃ難儀じゃ。しかしやはりというか、待ち合わせ場所には遠目にも真っ黒〜いオーラの渦に仁王立ちをしているかのような女がいました。数カ月前はノロケ話の報告で目をキラキラさせながら「とろけるチュウっていうの? わたしメロメロのメロ子ちゃ〜ん♪」と云っていた同じ人物か? コトの次第を相槌を打ちながら拝聴しましたが、途中で異様なピッチで杯を重ね続けるヤツは、気がついたら大トラでした。しかし、高校からのつきあいでこの酒の強い女がトラになる場面に遭遇することがなかったので、失恋話より当惑するような出来事がこのあと待っているとは思わなかったんだよね。千鳥足で歩くろれつのまわらない女は、腕をがっしりと組み、「千の風に乗って」を歌いだした。しかも、大声のうえにド下手。さらにここには書けない狂態(嬌態?)の数々……、失恋話の締めくくりは「わたしはこれを越えて羽ばたくの〜」という意気込みでしたが、もう何も越える必要もないというか、ただしっかり地に足をつけていけよというか。。。通常、失恋した人にはこじれた相手が男なら男友達を誘って、こじれた相手が女なら女友達を誘って、性を忘れてスカーッと遠くでも見てきたら? どうこの提案? などと慰めにならないような励ましをしているわけですが、今回ばかりはわたしがグランドキャニオンの、風と雨と時間が作り上げた壮大な風景でも見に行きたいと思った