目が白黒

帰りの電車で、目の前に初老の男性が坐っていた。ソフト帽をかぶって、べっ甲のメガネなぞをかけて、なかなかダンディでした。
が、白目なの。わたし疲れているのかなと思って、もう一度見ると、やっぱり白目。いやー、メガネに反射して白目に見えるんだよと思って、おそるおそるまた見てみると、やっぱり白目。寝るときに目が半開きで白目になる人もいるし、そういうやつかなと思って、まじまじと見てみると、目の目にあるのはガッツリ開いた白目。なんなのかしら? プッと吹き出したらパチッと黒目が戻るとか? もしや試されているのか、笑うまでガマンしているの? だとしたら何のために? 個人的な楽しみ? それってどんな楽しみなの? などと考えつつ、「ちょっとのあいだ白目だっただけ」かどうか確かめるべく(確かめるんか!)、電車を降りるまでの20分ほど、ずーっとその白目に黒目で対抗した。結果、白目の勝利です