ブックフェアを懐かしく思ふ--その3

突然出発が間近に迫ってきたので思い出話をひとつ。
最後に行ったブックフェアは3年前のNYだった。会期3日前にひとりでNY入りして、版元をてくてくと歩きまわって訪問していた。NYは地図片手に歩き回れるという手ごろな大きさの街だと思う。夜は知り合いの版元の人にパーチーに呼ばれたり会食をしだが、仕事の延長といえばそうなのだけど、気のあう人たちばかりで、こちらも仕事半分でリラックスして楽しめた。今年はPC版元の不況っぷりが影響しているのか、この手の会食もなくて気楽なもんだけど、祇園精舎の鐘の声が……。
フェア前日、第2陣でU御大とNマネが到着したが、U御大はいきなり白タクならぬ白リムジンにカモられ多額の支払いをし、うつろな目で到着した。チェックインを待つ間、前もって探しておいた昼から飲める&喫煙可の店に連れて行き、ひとまず落ち着いてもらった。ビアをひとくち飲むとようやく「高い授業料でした」とリムジンでボラれたことをとつとつと話してくれた。2本ほどビアを開けたころ、NYに行きたくない行きたくないとこぼしていたNマネがものすごいハイテンションで「やあ! いま着いたよ!」と明るく登場した。滞在中、日本じゃ遅刻の常習として名高いNマネの5分前集合という信じられないような偉業をみた。その後エライ人たち2人は2泊3日という明らかに滞在時間の正味のほうが短い旅を終えて、テンション高いまま帰国の途についた。日曜出発のJFK国際空港は正午過ぎじゃないとお酒が買えず、買い置きの酒が切れたU御大は最終手段として免税店でシャンパンを買ったが、機内に入る直前までお預けを食らって、結局搭乗30分前にスタンドバーでビアをおいしそうにノドを鳴らして飲んでいたことが印象深く思い出される。今回はNマネと2人旅だが静かに抗争中の某氏とのミーチングも「過去の話は一切しない」と念押されて、いったいどんなバカ面で会えばいいんだろうとか悩みは多いのぢゃが。「ドラえも〜ん、なんとかしてよ〜」(by のび太