土用の丑のうなぎ

いつもの歌舞伎町のうなぎ屋に行くと長蛇の列だった。待っている間に「野郎寿司」のチェーンがいったいどれくらい歌舞伎町にあるんだろうと思った。野郎寿司ばかりだよ。まったくどんな野郎が握ってるんだろう。そしてどんな野郎どもが集っているのか。なーんてくだらんことを考えていた。小1時間ほど店先で待って、カウンターに落ち着くと串焼きをひと通り頼む。ここまではいつもの通り。とはいえ、肝焼きが売り切れだったのは残念。何度かひじがぶつかるほど肩を寄せあって隣に座った方々はこわい筋の方で、上司が部下を叱りつけていた。上司が生意気な部下にナメられるとかそんな世界は微塵もない。ホラー映画とは異質なこわさを味わった。うな重にたどり着くころに退席されたけど、ふだんならうなぎの味を貪欲に味わうところ、耳が勝手に叱責を小耳にサンドしてして気が散ってしまった。しかしふだんのうなぎのほうがふっくらとつややかだったことも確かなり