宴のおこぼれ

元同僚M嬢が転職した会社の社長がM利兄さんの作った教科書をたいそう気に入って「こんなすばらしい本を作った編集者はいったい誰なんだ。著者さんにもぜひご対面を願う」とM嬢を通じて宴のお誘いがきていた。わたしまでおこぼれを頂戴することになった。会社を休んで変種会議をブっちぎって馳せ参じました。すみません。本郷にあるその会社に出向き、社長にご対面。50半ばを過ぎたとは思えないエネルギッシュな方だった。著者さんにいたっては「こんな本を書くなんて、あなたは日本の宝だ」とまで云われていた。社長が昔編集したというハードウェアメインの系譜のような本を拝見させていただく。現在のキープレイヤーの若かりし姿に驚く。ほぼその姿を消したハードウェアの写真入りの年譜を眺めて、なつかしくも思う。しかし造るの大変だったんだろうな。その後、社長の行きつけの飲み屋に移動して宴が始まった。湯島のそのお店は主人が岩手出身で、つまみに岩手の珍味や美酒が並ぶ。個人的にはひさしぶりにホヤをいただきなつかしい味が口中に広がる。南部煎餅って意外とお酒にあうんですねということも知る。その店はちょっと見逃しそうなところにあるので、たぶんひとりじゃ行けないと思うけど、なんでもエドワード・サイデンステッカー氏が来日すると必ず寄るとか。へえ〜。社長が会ったとき英語でしゃべりかけたら「日本語で話しなさい!」と怒られという。お土産に和菓子までいただきおひらきになり、その後打ち合わせを控えた著者さんを鴬谷までお見送りして、元同僚のM嬢とM利兄さんと軽く2軒目に行った。肉食いたい甘いモン食いたいアイスコーヒー飲みたいとか口々に云うが、鴬谷でそんな条件を満たす店は知らん。というわけでチェーンの居酒屋に落ち着くが、まわりを見回すとわたしたちが一気に平均年齢をあげていた。5対5で合コンをやっている席があって、すっかり最近珍しくなってしまった光景に「あいつはあの娘に気があるね」「あ、あの娘はすっげーしらけてる」と勝手に実況を始める次第。金曜夜にハジケるにはきつい年齢になったわれわれは、バカ話をして早々に切り上げた。帰り道にアキバで乗り換えたのだが、なんつーかアキバの駅がすっかりきれいになっていて驚き、トイレを探していたら駅の構内で迷った(なぜ)