ごほうび

金曜日、泣きを入れて印刷にまわす時間を最大限に延ばしてもらい(号泣)、連日キュージツ出勤して借金返済に明け暮れていたら、さすがにちらちらと目の前に金粉が舞った。これはアカン。一区切り(つかないとまずいっす)つけて、栄養補給しなきゃ。思い立ったら吉日、うなぎ屋にゴー!
カウンターで片っ端から串焼きを頼んだうえに二段重ねのうな重を食らって怒涛のように帰るせいか、店のおやじさんに顔を覚えられてしまい、今日はカウンターに座るなり「利根川の天然ものがあるけどどお?」と声をかけられる。うぐっ、食べたひ〜!! おやじさんも心得たもので、すばらしい手さばきでさっさと捌きはじめる。すっかり串焼きを食べ散らかした後で手持ち無沙汰で待っていると、これまた気の利いた箸やすめがぽつぽつと出される。お待ちどおさま〜と自慢げに出された至極の一品は、ふかふかとつややかな輝きを放っていた。一口いただくと小憎らしいほど「ぼく天然モノだもんね」と主張してくる。味が全然ちがーう! 思わず口元もほころぶ。原稿が来ないとか原稿整理がゲラが……とか、そんなちっぽけなことで自分の楽しみを減らすバカがどこにいる! と思えた、ささやかな幸せ……と思ったらやっぱりわたしがバカでしたというオチはなしの方向でお願いします