絶対的存在

姉とは少し年が離れていて、ときどき超弱気なダメ女になるけど、最終的にかなわないなぁ、なんて思う。どうも「妹」ってやつは、知らぬ間に姉の「絶対的な」存在感ってものを刷り込まれているような気がする。
総体的に姉は「まるい」。うわぁ、目と口がまんまるだー、まるでリスだよ、と思ったせいか、待ち合わせ場所で開口一番「よっ、リス!」と口が勝手に呼んでいた。まずい、怒られると思いきや、「なによぅ、あんたってほんっと洋服が似合う体型だよね」と云われ、うぬぼれリミッターがあがったところで、「胸ないしさぁ」とスシャッとこころにかすり傷を負う。軽く凹んだところで「あーでも、今日は大きくみえる。もしかしてレモンブラ?*1」と傷口に塩をぬりこむ。2軒目に足を運びほろよい気分になったころ、話題は「最近イケメンに会ったか?」という問いかけに変わっていた。「イケメン」は死語ではないか? とぼんやり考えていたわたしを置き去りにして、箱根の温泉旅館の従業員がみんなイケメンで云々……と、酒の肴にどんなイケメンがお好みなのか、ときおり大げさなジェスチャーを交えた姉の独演を拝聴されられるはめに。あいまいな相槌をうっていると、「もぉ! 今度その旅館に連れていってあげるからぁ〜!」と酔っ払った姉は、げっしっしと笑っていた。げっ歯類の笑い? やっぱりあんたはリスだ

*1:レモン型のパットが入ってるやつのことですよ